2023年12月06日

ミャークニーとナークニー

このブログのアクセス数が20万回を超えた。

ひたすら感謝である。


さて来たる12月17日は、関 洋民謡研究所のメンバーが教師免許にチャレンジする。その付き添いで沖縄に行くのだが、なんと12月19日が今帰仁ミャークニーを一緒に研究してきた平良哲男さんの3回忌となる。

ミャークニーとナークニー

今帰仁に通っていた頃、私には安心感があった。

哲男さんたちがいらっしゃれば、現地での調査や継承についてもなんとかなるだろう、と。

コロナ禍もあり、私も本の出版などがある中で、油断と隙があった。

哲男さん、正男さんのお二人が亡くなって途方に暮れている場合ではないことに段々気づいてきたのは、私の本に対する読者の声からだった。

「ウチナーグチが衰退するなかで島唄も衰退するのではないか、その中でこの本は貴重だ」と言うようなご意見だった。

そしてふと今帰仁の村民の方々はどう思われているのだろう、と。まずはそこから始めなくてはいけないのではないか。

ミャークニーとナークニー

哲男さんからいただいた今帰仁ミャークニーの音源を今繰り返し繰り返し聴いているが、言葉ではわかっていた「多様性」を感じるとともに、ステージで歌われてきた芸能としての民謡とは違って個々のその時の思いや叙情を乗せて唄う生活に密着した民謡だということ。

ある方から「今帰仁ミャークニーは◯◯氏の右に出るものはいない」「まずはその方に聞くべきだ」とのご意見をいただいた。

その唄者の歌は大変素晴らしい。テレビでも見たことがあるし、CDも持っている。その方の工工四集もよく読んでいるが、この方は「今帰仁宮古根」(なきじんなーくにー)と言われている。「ミャークニー」にこだわる今帰仁村でのウタとは区別されている。

ナークニーは、ミャークニーを元に中南部で発展したもので有名な唄者や流派によっても磨きがかけられている。それはそれで私も研究してきたし、唄いもする。

ミャークニーとナークニー


今帰仁ミャークニー大会が開かれると言われるのは、そうしたナークニーとミャークニーはすでに違 い、区別しないといけないほどに違いがあるということだ。

そして今度は逆に中南部のナークニーの影響を受けて変化したミャークニーが多く歌われるようになったのも事実なのだ。

哲男さんが今帰仁ミャークニーの歌詞集を作られた時に、今帰仁で生まれた歌詞と中南部の影響をうけたもの(実はその中には今帰仁からの影響をうけたものも含まれる)もあるという複雑な事情に苦労されていたことを思い出す。

果たして、そのような古いミャークニーと、この度の調査で出会うことができるのだろうか。

不安を抱えても、前に進まねば。







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この記事へのコメント
関さん、お疲れ様です。
関さんが、解説している沖縄民謡を楽しみながら、拝読している1人です。
上原正吉氏の連絡先は、私、個人で知っております。今年7月半ばまで、上原正吉氏とは、一緒の団体(沖縄県民謡合同連合会で正吉氏は、同団体の副会長、私は、事務局長を拝命しておりましたが、私は一身上の都合により、事務局長を降り、現在は、リハビリに専念しています。
正吉氏の 連絡先等、必要でありましたならば、明日、私に連絡ください。
連絡先城間 毅
900-0011
那覇市上之屋サンスーシマンション3-D城間毅
携帯電話 090-5734-5497
Posted by 城間 毅 at 2023年12月08日 00:18
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