5月8日昨夜は那覇の三線カフェさんでトーク&ライブを行わせていただいた。
出演する方も含め約20名ほどの方が、換気をよくされた牧志のカフェに集まって下さった。
もちろん私はこちらでは初めてである。
すぐ隣にある桜坂劇場や市民大学では出版記念コンサートや講演をさせてもらったことはある。
私の好きな白雲節の演奏や自己紹介から始まり、たるー本出版に至った経過やエピソードなどを紹介させてもらった。
18年にわたって綴ってきた「たるーの島唄まじめな研究」ブログの秘話なども。
そして胤森弘さんとの出会い、学んだこと、ということで、
島唄を愛する方には必携の知識=
①三母音化の法則、
②「き」が「ち」になる、
③P音の話、などを話させてもらった。
そして、5月3日に滞在した新城島の話。
そこで生まれた民謡「くいぬぱな節」「前ぬ渡節」と本島民謡「恋の花」「遊びションガネー」の関係を、実際にお二人の方の演奏で感じていただいた。
さらに、これらの曲が琉球音階で作られていること、特に
「かぎやで風」と全く同じ音階・音素でできていることを紹介して、琉球王朝の音楽との共通性を感じていただいた。
新城島は琉球王朝時代、人頭税として米ではなくジュゴンの干し肉を献上させられていた。従って首里の役人の出入りも多かったのではないか。
そうした琉球士族が作ったものか、いやそれ以前からこの島にあったメロディーだったのか、その検証は極めて難しいと思うが、
ある時期とても広い範囲に琉球音階の曲が広がり、そのいくつかの曲が島には残っているのではないか。
そしてそれを18世紀屋嘉比朝寄が工工四(タカ子クブシ=高袮久節)に残し、古典音楽に取り込まれ、さらに19世紀に歌劇「薬師堂」や遊廓での「恋の花」の流行に繋がる。
そして、トーク&ライブではそこに宮古島の民謡を演奏していただいた。
私の「今帰仁ミャークニー」の演奏に続いて「三線カフェ」のオーナーの演奏で「トーガニアヤグ」、「古見ぬ主」。
「古見ぬ主」を選曲してお願いした理由は、宮古民謡なのに八重山は西表島の古見という集落とそこに住む亀を主人公にしたという、非常に珍しいウタだからだ。
5月3日は私はたまたま古見の民宿に泊まって、周辺の歌碑などを大浜修先生のご案内で調べていた。
1500年の「オヤケアカハチの乱」に対し宮古島からも軍団が派遣され八重山を制圧した。宮古島には船の材料の木材がなく、この西表島古見集落を支配して造船を行っていた時代があった。
その頃のウタであり、宮古と八重山のウタが繋がる場所でもある。
ちなみに、5月5日に訪れた竹富島の喜宝院住職上勢頭同子さんからは「ザンぬユングトゥ」を聴いたことを皆さんにも報告して、録音を聴いていただいた。
これも珍しい古謡である。
最後に、製作委員会のメンバーのクニオさんから、製作のエピソードなどを話していただき「実際に本ができた時は涙が出るほど嬉しかった」との言葉、そしてコンクールの課題曲「世宝節」を歌っていただいた。
今回のトーク&ライブを企画、呼びかけ、準備をして下さった三線カフェのカミジャーさん、クニオさん、本当にありがとうございました。
そして、駆けつけて下さった皆様、打ち上げから参加された皆さま、本当にありがとうございました。
5月6日の石垣島タウンパルやまださんでの大盛況のトーク&ライブに引き続き、今回のトーク&ライブもサイン会も成功裡に終えたこと、報告しておきます。